Erika2,847 reviews90 followersFollowFollowMarch 19, 2020てっきりブスの本懐のような、自虐一辺倒の浅いエッセイ集かと思ったら、全く違った。私が↑を読んだ時にfrustratingに感じた、「もっと社会的な側面に突っ込んで書いたらいいのに」が、まさにこの本だった。エッセイの初めは、「私はブスだ」というスタンスから始まる(というか、このスタンスはずっと同じ)。けれど、そのために「だから自分なんて…」となるのでなく、「ブスの敵は美人でなく、ブスを蔑視する人だ」と言い切る。そこから、社会の中での「ブス」の捉えられ方(同じ境遇でも美人とブスで幸不幸の捉えられ方が変わる)、「自信について」(自信のなさの押し付け合いで、ブスを蔑視する?)、「差別語に関して」(ここで「障碍者」等の表記に関しても触れる)、「恋愛と友情」(人間同士の距離によって「美人・ブス」の見え方が変わる)、「ジェンダー論・女性だから、男性だからという偏見」「差別と区別」「メディア(特に新聞のあり方)」「自虐について」…等々、盛りだくさんに話は広がっていく。(上にあげたのは各章の題名ではない。色々まとめようと思ったけど、断念。)結論から言えば、社会が変わるべきだ、ということだ。「ブス」という言葉も、初めの方こそ文章中のたくさん出てくるが、途中から、差別(見た目・年齢・性別等々)に対する著者の考えが述べられていき、すんなり読める。「ブス」という言葉一つで、ここまで社会の問題に切り込めるなんて、すごい。そして、私が常日頃から感じていた「女性」「日本人」という枠への違和感も言葉にしてくれていて、スッキリした。(カズオイシグロの「日本人」としての報道、大坂なおみ選手に関する報道等。)数ページ読むごとにメモをとるので、本書を読むのはエネルギーを消耗したけれど、その価値は十分にある本だった。5点満点でないのは、自分の手元に置いておきたいとまでは思わない(装丁がもっと好みだったら良かったのに)、という私の勝手な理由によるもの。内容は5点満点。non-fiction